ガルバリウム鋼板屋根の塗装費用はいくら?プロに頼む場合とDIYの費用比較

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1. はじめに

ガルバリウム鋼板屋根は、近年非常に人気のある屋根材の一つです。

主にその耐久性と軽量さ、さらに防錆性能が理由で、住宅のリフォームや新築時に選ばれることが多くあります。

特に築20年以上の家に住んでいる方にとって、屋根のリフォームは避けて通れない大切な作業です。

経年劣化によって屋根の表面に錆びが発生したり、色あせたりすることが多く、その結果、雨漏りや断熱効果の低下が起こる可能性があります。

屋根リフォームを考えている方は、塗装という選択肢も視野に入れて検討することが重要です。

ガルバリウム鋼板はもともと錆びに強い素材ですが、完全にメンテナンスフリーではありません。

特に屋外に露出している屋根部分は、雨や風、紫外線の影響を直接受けるため、時間が経つと表面のコーティングが劣化し、錆びが発生するリスクが高まります。

ここで塗装を施すことで、美観を保つだけでなく、屋根材自体の寿命を延ばすことが可能です。

この記事では、ガルバリウム鋼板屋根の塗装を検討している方に向けて、プロに依頼する場合の費用とDIYで行う場合の費用について詳しく解説します。

自宅の屋根リフォームを計画している方は、費用や作業の手間、そしてどちらが自分に合っているかを考えながら、最適な選択をするための参考にしてみてください。


2. ガルバリウム鋼板屋根の塗装が必要な理由

ガルバリウム鋼板は、耐久性が高く、錆びにくいという特性を持っていますが、それでも定期的なメンテナンスが欠かせません。

特に築20年以上の住宅の場合、屋根材の表面に付着した汚れや劣化したコーティング層が、錆びの原因となることがあります。

定期的な塗装を行うことで、屋根の寿命を延ばし、住宅全体の保護に繋がります。

ガルバリウム鋼板の最大のメリットは、その防錆性能ですが、屋根の表面が劣化すると、この性能も低下してしまいます。

屋根材に直接ダメージが及ぶ前に、塗装によって表面の保護層を再生させることが必要です。

また、塗装によって屋根の色やデザインを変えることができるため、住宅の外観をリフレッシュする効果も期待できます。

ガルバリウム鋼板屋根の塗装が必要かどうかは、屋根表面の状態を定期的に確認することで判断できます。

特に、錆びが見える場合や、塗膜が剥がれている部分がある場合は、早急な対処が必要です。こうした状態を放置すると、屋根材自体が劣化し、将来的には屋根全体の交換が必要になる可能性もあります。

塗装を行うタイミングとしては、築20年を超える家では、定期的な点検を行い、10〜15年ごとに塗装をすることが一般的です。

塗装によって、ガルバリウム鋼板の特性を最大限に活かし、住宅全体の保護を強化することができます。


3. プロに依頼した場合の費用

ガルバリウム鋼板屋根の塗装をプロに依頼する場合、まず気になるのはその費用です。

費用は坪単価で計算されることが多く、一般的には1坪あたり15,000円〜30,000円が相場とされています。

この価格には、足場の設置費用や塗料代、施工費用などが含まれますが、地域や業者、使用する塗料の種類によっても大きく異なることがあります。

例えば、シリコン系の塗料を使用する場合と、フッ素系の塗料を使用する場合では、フッ素系の方が耐久性が高い分、費用も高くなる傾向にあります。

また、足場の設置が必要な場合、その設置費用も加算されるため、総額で50万円〜100万円程度がかかることが一般的です。

プロに依頼する場合の最大のメリットは、施工のクオリティと安全性です。塗装作業は高所で行うため、素人が行うと事故のリスクが高くなります。

また、プロに依頼すれば、施工後の保証が付くことが多く、万が一のトラブルにも対応してもらえるため、安心感があります。

業者を選ぶ際には、施工内容や保証内容をしっかり確認することが重要です。

評判や口コミを参考にし、信頼できる業者を選ぶことで、満足のいく仕上がりが期待できます。

特に、築20年以上の住宅では、屋根リフォームのタイミングを見極めて、適切なメンテナンスを行うことが大切です。


4. DIYで行う場合の費用

DIYでガルバリウム鋼板屋根の塗装を行う場合、費用はプロに依頼する場合と比べて大幅に削減できます。

主な費用としては、塗料代、塗装道具代、足場のレンタル代が挙げられます。

塗料代は使用する塗料の種類によって異なりますが、1缶あたり5,000円〜20,000円程度が一般的です。

通常、20坪の屋根を塗装する場合、2〜3缶の塗料が必要となるため、塗料代だけで10,000円〜60,000円程度かかることが考えられます。

次に、塗装に必要な道具として、高圧洗浄機、ローラー、刷毛、マスキングテープ、養生シートなどが必要です。

これらの道具はすべて揃えると、5,000円〜15,000円程度の費用がかかります。

また、屋根塗装は高所作業となるため、足場のレンタルが不可欠です。足場のレンタル費用は、1週間あたり30,000円〜50,000円程度が相場です。

DIYでの塗装作業は、費用を抑えることができる一方で、リスクも伴います。

特に、高所での作業は非常に危険であり、落下事故やけがのリスクがあります。

また、塗装のクオリティもプロと比べると劣ることが多く、塗料の選び方や施工手順を誤ると、屋根材の寿命を縮めてしまう可能性があります。

そのため、DIYでの塗装を検討する場合は、しっかりと準備をし、作業に対するリスクを理解した上で行うことが重要です。

5. プロとDIYの費用比較

ガルバリウム鋼板屋根の塗装をプロに依頼する場合とDIYで行う場合の費用を比較すると、明確な違いが浮かび上がります。

プロに依頼した場合、1坪あたり15,000円〜30,000円の費用がかかるとされ、一般的な住宅の屋根全体を塗装するには、総額で50万円〜100万円ほどの予算を見込む必要があります。

この費用には、塗料代、足場の設置費用、職人の施工費用などが含まれており、一括して安心して任せることができます。

一方で、DIYでの塗装は初期費用を大幅に抑えることができるのが大きなメリットです。

塗料代は1缶5,000円〜20,000円で、塗装面積に応じて必要な缶数が増えますが、プロが使うよりも安価な塗料を選ぶことで費用を下げることが可能です。

さらに、道具代や足場レンタル代が加わるものの、総額では20万円〜30万円程度で収まることが多く、プロに頼む場合の半額以下で作業を完了させることも可能です。

しかし、費用だけではなく、長期的なメンテナンスコストや塗装のクオリティも考慮すべきポイントです。プロに依頼する場合、塗料の耐久性や施工の質が高いため、10年以上持つことが多いのに対し、DIYでの塗装は経験や技術によって仕上がりが不均一になり、5年程度で再塗装が必要になるケースもあります。

また、プロには保証が付くことが多く、施工後のトラブルにも対応してくれますが、DIYの場合はすべて自己責任となります。

これらを考慮すると、短期的な費用削減よりも、長期的な安心感を重視する方はプロに依頼する方が適しているかもしれません。


6. ガルバリウム鋼板屋根の塗料選び

ガルバリウム鋼板屋根の塗装には、使用する塗料の選び方が非常に重要です。

屋根塗装に使用される塗料には、シリコン系、ウレタン系、フッ素系、無機塗料など様々な種類があり、それぞれ耐久性や価格に違いがあります。

例えば、シリコン系塗料は比較的手頃な価格で入手でき、耐候性にも優れているため、ガルバリウム鋼板に適した塗料の一つです。

耐用年数は10年程度で、DIYでも扱いやすいという特徴があります。

一方、フッ素系塗料や無機塗料は、さらに耐久性が高く、プロが推奨することが多い塗料です。

これらの塗料は耐用年数が15〜20年と長く、再塗装の頻度を減らすことができますが、その分価格も高くなるため、初期投資としては負担が大きいかもしれません。

DIYで使用する場合は、価格が手頃で扱いやすいシリコン系塗料が適していることが多いですが、長期的な視点で考えると、耐用年数の長い塗料を選ぶことが、結果的に費用を抑えることに繋がります。

さらに、塗料の種類によって色のバリエーションや光沢感も異なるため、見た目にもこだわりたい場合は、塗料選びが重要なポイントとなります。


7. ガルバリウム鋼板屋根の塗装で失敗しないためのポイント

ガルバリウム鋼板屋根の塗装で失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。

まず、塗装前の準備が大切です。屋根の表面が汚れている状態で塗装を行うと、塗料がしっかりと密着せず、剥がれやすくなってしまいます。

そのため、高圧洗浄機を使って汚れをしっかりと落とし、錆びている部分があればサンドペーパーで削るなどの下地処理を徹底することが必要です。

また、塗装の際には、天候も考慮に入れるべきです。

雨の日や湿度の高い日には塗料が乾きにくく、塗膜が均一にならないため、晴れた日を選んで作業を行うことが重要です。

気温も関係しており、特に夏場の高温時には塗料が早く乾きすぎてしまうため、早朝や夕方に作業をするなど、塗装環境を整えることが大切です。

DIYでの塗装作業は、事前の準備や施工手順が不十分だと、仕上がりにムラが出たり、塗料が剥がれやすくなったりすることがあります。

特に、塗料の厚みや均一さを確保するためには、下塗り、中塗り、上塗りの3層塗りが基本です。

これを怠ると、塗装の持ちが短くなるだけでなく、ガルバリウム鋼板自体の劣化を早める可能性があります。

プロに依頼する場合は、こうしたポイントがきちんと守られているかどうかを確認することで、安心して任せることができます。


8. まとめ

ガルバリウム鋼板屋根の塗装は、築20年以上の住宅において重要なメンテナンス作業の一つです。

費用面で考えると、プロに依頼する場合は初期費用が高くつくものの、仕上がりのクオリティや保証、長期的なコストを考慮すると、十分に価値がある選択となるでしょう。

特に、DIYでは難しい高所作業や塗装の精度が求められるため、安全性や信頼性を重視する方には、プロの技術が役立ちます。

一方で、DIYでの塗装は、費用を抑えたい方にとって魅力的な選択肢です。

塗料代や道具代は比較的安価で済み、足場のレンタル代を含めてもプロに依頼するよりもかなりの節約が可能です。

ただし、DIYには技術的な難しさやリスクも伴うため、自己責任での施工となる点を理解し、十分な準備を行うことが重要です。

最終的には、どちらを選ぶかは予算や時間、技術力、そして安全性に対する意識次第です。

この記事を参考に、ガルバリウム鋼板屋根の塗装に関して最適な選択をして、大切な住まいを守るための第一歩を踏み出していただければ幸いです。

一級建築士の写真

本間 恒芳

1級建築士として40年以上の経験を持つ本間恒芳氏は、多くの住宅リフォームや屋根工事プロジェクトに携わっており、特に屋根材の選定や施工技術に関する専門知識が豊富です。